ただ事実だけがある日々

事実と感想を切り分ける練習

キングダム3作目を見る

『キングダム』の実写化映画を見に行った。

紀元前の中国、秦の中華統一を描く漫画だ。映画はもうシリーズ3作目になる。キングダムは全巻読んでいて、ヤングジャンプも毎週読み、最新回を追っている。巨漢のキャラクター『王騎』を演じる大沢たかおの体の大きさに驚く。役作りのために数十キロ太った、とテレビで言っていた。

主人公の1人である『政』を命を賭して守る、『紫夏』というキャラクターがいる。捨て子だったところを拾われ、慈しんで育てられた彼女は、育ての親の「受けた恩は次の者へ」という信念のもと、赤の他人の政のために身を挺する。そのエピソードも今回の映画に入っていて、何度も見て知っている内容だったが、それでも涙が出る。

 

紫夏には、一緒に育った『亜門』という同じような境遇の仲間がいる。映画では少し改変されていたが、原作では、亜門は時間を稼ぐために自ら馬車を横転させて死ぬ。紫夏は政のために命を賭けるが、密かに紫夏のことが好きな亜門は、政を守る紫夏を少しでも長く生かすために命を使うのだ。馬車を倒す前、亜門は最後に紫夏に向かって「あばよ」と言う。

 

『マッドマックス 怒りのデスロード』という映画に似たシーンがある。

『怒りのデスロード』の『ニュークス』も、恋した女を追っ手から逃がすため、自ら運転するトレーラーを横転させて道をふさぐ。彼は最後に女に向かって”Witness me.”と言う。

亜門の恋もニュークスの恋も、一方的なものである。そして死の間際、彼らの表情はとても冷静だ。